こんにちは、ゴミを出さない小さな暮らしを発信しているNICOです。
かなり久しぶりに筆を走らせているのは、GW中にベッドをお譲りいただいた小さな体験談より。
さてさて、前談。
私の住まう地域では昨年、地域で活躍する人たちを積極的に繋げる取り組みが行われていました。地域での活動をシェアしたり、講座を共に聞いたり、懇親会を開いたりとかね。
その延長線上に、LINEオープンチャットというSNSツールがある。ご近所で開催されるイベントや、なにか質問したい時、探している情報などなどその使い道は多岐に渡る。
GW頭のこと、そのオープンチャットに1件の通知、私には内容が光って見えた。
『子ども用2段ベッドの引き取り手を探しています』

この春一年生になった下の子のために、まさに今か今かと購入に手が伸びていた私。しかもそれがセカンドハンドとしてお譲りいただけるなんてまたとないチャンス!
「ほしいです!」
即、名乗りをあげた。こういう時、後先考えないのは私の長所でもあり短所でもある。
いざ、お譲りしてもらおうと一歩踏み出すと『これは意外と大変そうだ…』ということに気がついた…!(短所はまさにこういうところ笑)
まぁなんとかなる!あれよあれよでお譲りいただく2段ベッドのうち、ひとつずつを別の方と分けることになった!さぁここからだ。
・いつ取りにいくのか
・車には乗るのか
・解体するのか
・また組み立てられるのか
大きなモノを受け取るにはいろんな問題をクリアしていかなければならない。(ことをまさに学んだ)
まずはベッドのサイズを測ってもらい、我が家のワンボックスカーに乗るのか、こちらは後部座席の寸法を確認する。
もし解体しなかったとしてもなんとかギリギリ乗せられそうではないかと安易に結論付け、取りに伺うための予定合わせを始める。
そして、
1. お譲り下さる方、
2. 2段ベッドの片割れを分ける方、
3. 運搬を手伝ってもらう夫
さらに自分の予定を頭に置きつつ、3人のスケジュールを確認する。
あっちに連絡をとり、こっちに連絡をとり、さらに解体するのかしないのか、何人いれば運べそうなのか、そんなやりとりをしているうちに、思うのは『捨てる』とか『買う』ということがいかに簡単なのかということ。
誰とも関わらず、労力をかけず、自分だけの判断と采配で完結する最も早くて簡単で、そして最もゴミが出る生き方だ。
そう思うと、なんとしてもご縁のあったベッドを我が家に持ち帰りたい!妙な炎が胸の奥で燃える。
そんなこんなでGW最終日、朝イチで夫と車2台で、2段ベッドの引き取りに向かった。

そしてお約束当日。いざ目の前にすると意外とベッドは大きく、部屋からの運び出しもできるのだろうか…と一瞬たじろいだけどそれも束の間。
あちこちのネジを回したり下から覗いてみたり、あっという間にベッドは解体され、行き帰り合わせても2時間もたたないうちに、息子の部屋にベッドがやってきた。
安い2万円のベッドを買ったとして、時給1000円なら20時間分。我が家は20時間分の自由な時間を手にいれることができ(正確には取りに行った2時間と組み立ての1時間を引いた17時間だけど!)、薪になる予定だったベッドは息子を乗せて今とても嬉しそうにも見える。

そしてもう1台の片割れも、実は一緒に乗せて帰ることができて、同日にお渡し。こちらは2年生の女の子のベッドになるそう。

なんとついでに運んだだけなのに、片割れのベッドは新鮮な採れたてサニーレタスに変わったではないか♡(ごちそうさまです)わらしべ長者のような気分だ笑

きれいに拭き上げ、とりあえずのお布団を乗せた時の息子の喜ぶ顔は、親として何にも変え難いいちばんの報酬。
とはいえ私が思うのは、なぜたった数十年でこんなにもごみが増えてしまったのか。『買う』『捨てる』の世の中を改めて、見渡す。
モノを捨てずに誰かに譲る労力というものは、一見とても面倒で、遠回りで、厄介ごとのように思える。それはなぜなのか、人と人の距離が遠くなったことも一因ではないだろうか。
すると1万円2万円あるいは5万円10万円が人とのやり取りに勝る便利なツールに変わる。諸々のやり取りと数万円を天秤にかけ、支払うことを選んでいるのだ。ほんの少しのやり取りは、こうした金額以上の労力と感じていることになる。
改めて、あと一歩でいい。
人との繋がりをグッと引き寄せて、密に連絡を取り合い、どうやって引き渡すか?共に考え、作業した後の心の距離と気持ちよさを感じたい。
感謝の交換、モノを長く使える喜び、いただいたご縁は、それまでの苦労の対価としてお釣りがでるほど貴重なものとして私の中に残った。
セルフレジ完結
タッチパネル注文
置き配
多忙に明け暮れ、希薄になった現代社会では、合理的であることや、時間をかけずに済むことは、時に成功への近道や最も簡単なゴールに感じるかもしれない。
誰かの手から手へと渡るものの架け橋を諦めず、一歩踏み込んで行くことは、時に人生に必要な人と人とのご縁や、コミュニケーション、時に迷惑をかけてかけられる、お言葉に甘える要領の良さを学ぶ、とてつもなくいい機会。
手の中に収まるスマホでポチッとなんでも完結する世の中だからこそ、目の前のモノと人、大きく目を開けて、短い人生の中でどっぷり携わっていきたいなぁと思えたこの連休のベッド騒動。
たくさんの人と関わって、わがままや融通を許し合える相手をどんどん増やしたい。わざわざ譲り譲られたい、関わりたいと思える人になりたい。そんな風に人と関わり生きていきたい。
セカンドハンド、それはゴミを減らす以上に、この繋がりから生まれる笑顔が地球環境を、そして目に見えない世界の雰囲気をよりよいものへと変えてくれるのかもしれない。
私はそう信じる。

改めて、お譲りいただきありがとうございました。
セカンドハンドのご縁、あなたの人生にもいかがでしょう?この記事を書いたのはごみを出さない小さな暮らしの発信をするNICOでした。
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@nico_natural.clean
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